空き家を子どもの居場所に「太陽食堂」がオープン 那覇市社協と市民で運営 新たな地域づくりのモデルにも


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「太陽食堂」のオープンを祝う(左から)屋良達さん、岡本賢智さん、那覇市社協の新本博司会長、宮城哲哉常務理事=7月25日、那覇市壺屋

 【那覇】那覇市社会福祉協議会と市民で運営する、初の子どもの居場所「太陽食堂」が7月25日、那覇市壺屋に開設された。使われていないビルの再生を手掛ける「アートマン計画事務所」チーフプランナーの岡本賢智(けんいち)さんが空き家を借りて改修し、家賃も負担する。市社協は光熱水費を負担し、社協職員やボランティアがスタッフとなる。市社協の創立70周年事業と位置付け、新たな地域づくりや空き家活用のモデルとして取り組む。

 岡本さんが子ども食堂をやりたいと物件を探していたところ、不動産会社「新時代住宅」の屋良達(たつし)代表が空き家の家主と引き合わせた。家主は特別に安い料金で貸しているという。岡本さんは数百万円をかけて修繕し、必要な設備を整えた。

 太陽食堂は平日の午後2時から6時まで開け、おやつや遊び場、学習の場を提供する。土日祝日は不定期で開ける。学習支援には那覇市松尾で活動する子どもの居場所「のびのびひろば」が携わる。

 7月25日のオープニングセレモニーで、市社協の新本博司会長は「子どもたちが夢と希望を持ち安心して育つ環境づくりに取り組む。地域の皆さんにも気軽に立ち寄ってほしい」と述べた。岡本さんは「活動は始まったばかりだ。ここに来たら食事があり、仲間もいるという場所にしたい。皆さんの協力をお願いしたい」と話した。屋良さんは「空き家問題が懸念される中、このような活用に結び付けられてうれしい」と話した。
 (伊佐尚記)