【受賞理由全文】沖縄平和賞「普遍的な平和思想の象徴」 ひめゆり平和祈念資料館


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ロビーに掲げられた集合写真について説明する学芸課長の古賀徳子さん=12日、糸満市伊原のひめゆり平和祈念資料館

 沖縄県女師・一高女ひめゆり同窓会(2011年に「公益財団法人沖縄県女師・一高女ひめゆり平和祈念財団」に変更)は、沖縄戦で廃校となった沖縄師範学校女子部・県立第一高等女学校の同窓生が結成した同窓会を基に、1960年に財団法人として設立された。

 戦後77年がたち、同財団はひめゆり学徒の体験を語り継ぎ、戦争の実相を伝え、永遠に平和を訴え続けることを目的に活動している。

 89年に同財団が設立したひめゆり平和祈念資料館は、これまで述べ2300万人が訪れている。学徒隊が戦時中に避難していた壕(ごう)に残る遺品などの展示資料を所蔵し、生存者である元学徒が証言員として自らの体験を伝える平和学習の場として活用されてきた。

 沖縄平和賞委員会は、ひめゆり学徒をはじめ沖縄戦を体験した全学徒の活動に深く敬意を表する。沖縄戦の記憶を継承してきたひめゆり平和祈念資料館は、沖縄における普遍的な平和思想の象徴的存在として、アジア・太平洋地域をはじめ全世界へ沖縄を平和の発信拠点として浸透させる地道な取り組みを行ってきた。沖縄平和賞の理念に合致し、激動が続く世界情勢の中で、本土復帰50年の節目の年の顕彰に最もふさわしいと評価する。


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