【宜野湾】13日に沖縄国際大学で開かれた「普天間基地の閉鎖を求め、平和の尊さを語りつぐ集い」で、同大学社会文化学科2年の永田美桜さん(23)が意見を発表した。過重な基地負担が続く現状を踏まえ「沖縄が抱えている問題を日本全体の問題として捉え、知るきっかけを作ることが、『沖縄は静かになったね』と言い合える日常につながるのではないか」などと強調した。
永田さんは埼玉県春日部市出身。幼少期から戦争について関心を持ち、沖縄から真の平和を追求したいと思い、沖国大に入学した。新型コロナの影響でオンラインになった講義では、米軍機が上空を通過すると音声が聞こえなくなり、低空飛行する機体を見ると墜落の不安を感じ、基地の存在を身近に感じるようになったという。
意見発表では沖縄戦体験者や現代の沖縄で米軍におびえて生きる人々は「戦世」に身を置いているとして「世間では戦争の悲惨さを継承するとよく耳にするが、基地社会の沖縄にとって継承は一言で表せる単純な構造ではない」とも指摘。「静かな沖縄をつくって初めて継承という言葉が妥当だと思う」と話し、過重な基地負担を解消することで本当の意味で「戦世」が終わり戦争体験や平和の大切さを継承することにつながるとの考えを示した。
同集いは昨年、新型コロナの影響でオンラインで実施し、モニュメント前の開催は2020年以来。大学関係者と市民十数人が参加した。沖国大は今後、普天間基地を使用する航空機の即時飛行中止と基地閉鎖を求める文書を岸田文雄首相や駐日米国大使らに送付する。
(名嘉一心)