米空軍オスプレイが飛行停止 不具合続発、事故の恐れ 普天間MV22は飛行 沖縄知事「安全確認を」


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米空軍のCV22オスプレイ=2018年6月4日、米軍嘉手納基地

 米空軍の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイに事故につながる可能性がある不具合があるとして、米空軍が全てのCV22の飛行停止を指示していることが18日、分かった。一方、海兵隊仕様のMV22オスプレイが配備される米軍普天間飛行場では18日もオスプレイの離着陸が確認され、海兵隊は飛行停止の措置をとっていないとみられる。CV22とMV22は構造としてはほぼ同型で、玉城デニー知事は「MV22も同様の問題を抱えているのであれば、地上待機させ安全確認すべきだ」との認識を示した。

 在沖米空軍は琉球新報の取材に回答し、地上待機の期間は16日から当面の間としている。CV22は日本では東京都の横田基地に配備され、嘉手納基地などにも外来機としてたびたび飛来している。

 在沖米海兵隊にもMV22の対応について質問しているが、18日中の回答はなかった。

 米空軍の回答や米国での報道などによると、CV22のエンジンとプロペラのローターをつなぐクラッチが何らかの原因でかみ合わなくなる不具合が2017年以降に4件起き、うち2件がこの6週間以内に起きた。飛行停止は空軍特殊作戦司令部が指示した。

 クラッチの不具合で片方のエンジンに不具合があった場合、もう片方のエンジンでの飛行継続に支障が指摘されている。原因究明と再発防止策の策定ができておらず、米空軍は飛行停止の終了時期を未定としている。

 県内では12年10月に海兵隊仕様のMV22の普天間配備が強行され、今年で10年となる。16年に名護市安部の沿岸に墜落したほか、部品落下や緊急着陸を起こしている。

 沖縄防衛局は取材に「米側に安全面に最大限配慮するよう求める」と述べた。
 (塚崎昇平まとめ)


米軍嘉手納基地に3年間で延べ47機飛来 飛行停止のCV22オスプレイ