米空軍は機体の不具合を理由に、16日から全ての垂直離着陸輸送機CV22オスプレイの飛行を停止した。沖縄県内に配備されている海兵隊のMV22オスプレイも構造は共通しているが、米海兵隊は18日もMV22の運用を継続している。2012年に普天間飛行場へのオスプレイ配備が強行されて以降、10年間で墜落事故などを繰り返してきた。今回飛行停止となった米空軍のCV22も横田基地(東京)からたびたび嘉手納基地に飛来しており、県民は二重に危険性を負わされている。
嘉手納町によると、CV22は2018年6月4日に初めて嘉手納基地に飛来した。21年10月末までに延べ47機が飛来。沖縄防衛局の目視調査では20年3月までに229回の離着陸などが確認された。直近では22年6月22日にも飛来している。
米海兵隊のオスプレイMV22も基本的にはCV22と同じ構造だ。不具合の原因が特定できていない以上、海兵隊のオスプレイも同様の問題を抱えている恐れがある。
MV22は今年3月にノルウェーで、6月には米カリフォルニア州で墜落事故を起こし、計9人の搭乗員が死亡した。海兵隊は安全点検のため全航空機の飛行停止を指示したが、1日だけだった。
オスプレイは県内配備の当初から構造上の欠陥が問題となってきた。ヘリコプターと比べ、エンジンが停止した場合にローターで気流を受けて軟着陸する「オートローテーション(自動回転)機能」が欠けていることなどが指摘されている。
(明真南斗、名嘉一心)
米空軍オスプレイが飛行停止 不具合続発、事故の恐れ 普天間MV22は飛行 沖縄知事「安全確認を」