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スタートアップの取り組み 公的資本活用、拡大に期待 <けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 2022年度は新しい資本主義に向けた改革(国の骨太方針)があります。具体的には(1)人材(2)科学技術(3)スタートアップ(4)脱炭素(5)DX化―です。この五つの重点投資分野は、新しい資本主義が目指す社会課題の解決への取り組みや地域社会を活性化する方向性を示したものです。

 その中でも「スタートアップ」は新規創業への投資であり、戦後の日本の創業時に次ぐ「第二創業期」としている取り組みです。

 「スタートアップ」とは、急成長する企業組織のことです。多くは、急激な変化やハイリスクを顧みないビジネスを手掛けています。背景には「専門技術」が関係していることから、技術系ビジネスが多くを占めています。独自で新規に起業する組織もありますが、既存の企業が新たにビジネスとして取り組む場合も含まれます。後者の場合は、企業側のニーズに対して大学等の研究者や技術シーズがマッチングすることもあります。

 課題としては、これまでにないビジネスへの取り組みであり金融機関からの資金調達が困難であることです。また事業化までに時間を要する上に、成長を図るための環境整備も重要な課題です。資金調達については、国内外のさまざまな投資を利用することができるものの、投資対象外のケースもあります。今後はベンチャーキャピタルに対する公的資本の活用・投資等の拡大に期待したいところです。

 新たな新規ビジネス起業に向けて大学や研究者等の専門技術を活用し、さまざまな環境に適応するスタートアップエコシステムを創り上げることが重要ではないでしょうか。

(沖縄銀行法人事業部沖縄みらい元気応援室室長 與儀実篤)