稲嶺元知事「感謝しかない」 稲盛和夫氏死去、沖縄の経済界などから悼む声


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稲嶺 恵一氏

 京セラ創業者で名誉会長の稲盛和夫氏が死去したことを受け、県内経済界などの関係者からは故人を悼みながら沖縄への功績の大きさを改めてたたえる声が相次いだ。

 稲盛氏の提言で設立が決まった沖縄セルラー電話の初代社長を務めた稲嶺恵一元知事は「人のためにという大欲を持ちながら私欲はなかった。弱者への思いやりも感じた。だからこそ沖縄が戦争や戦後に苦労したことについて、中央の経済人として何かできないかという思いがあったのだろう。沖縄に尽くしてくれて、感謝しかない」と語った。

 沖縄セルラー現社長の菅隆志氏も「稲盛氏の設立の想い、当社の経営理念『事業を通して、沖縄経済の発展に貢献すること』を今後も、全社一丸となって具現化していきたい」とコメントした。

 沖縄懇話会の小禄邦男、安里昌利両代表幹事は連名でコメントを発表。「沖縄セルラー電話設立、沖縄サミット、沖縄科学技術大学院大学誘致、沖縄大交易会など多くの事業にご尽力をいただいた」、「日本を代表する財界人で沖縄の発展に大いに尽力をなされた。謹んでお悔やみ申し上げるとともに、心よりご冥福をお祈りする」と故人をしのんだ。

 稲盛氏の経営哲学を学んだ盛和塾出身者からなる沖盛塾事務局長の大城祐建エマエンタープライズ社長は「中国での勉強会では、アリババ創業者のジャック・マー氏も会いに来ていた」と振り返る。「非常に厳しい人で、塾生には真剣に接してくれた。教えを実践し、恩返しをしたいと思う」と話した。
 (小波津智也)


沖縄セルラー設立を提案 県内経済人と心通わせ 稲盛和夫氏死去