台風11号、先島諸島に接近へ その後停滞、4日にも再接近の恐れ(9月1日朝まとめ)


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台風11号で、屋根や壁が吹き飛んだ木造の宿舎=8月31日、北大東村港(上地順子通信員撮影)

 非常に強い台風11号は31日、沖縄県大東島地方を通過し、沖縄本島に最接近した。北大東島で8月の観測史上最大となる最大瞬間風速48・4メートルを観測し、木造の社宅が全壊するなどの被害が出た。南・北大東村で最大300世帯が停電したほか、通信障害も発生。両村の診療所は休診した。本島中南部・北部にも一時、暴風と波浪警報が発表された。

 台風は発達しながら南西に向かい、1日には先島諸島に接近し、南の海上で停滞する見込みだ。1日以降、先島諸島は暴風が吹く恐れがある。

 不確実性が大きいもの、4日頃にかけては北上して先島諸島にかなり接近し、5日頃には東シナ海を北上するとみられる。

 本島地方で31日午後8時までに観測された最大瞬間風速は南城市糸数で25・6メートル、久米島町北原で23・1メートルなど。

 1日にかけて予想される最大風速(最大瞬間風速)は沖縄25メートル(35メートル)、奄美18メートル(30メートル)。2日の予想最大風速(最大瞬間風速)は沖縄20~24メートル(25~35メートル)。1日にかけて予想される波の高さは沖縄8メートル、奄美6メートル。2日は沖縄7メートル。

 気象庁によると、台風は8月31日午後9時には那覇市の南約170キロの海上にあって、時速20キロの速さで西南西へ進んでいる。中心の気圧は935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートル。中心から半径95キロ以内では風速25メートル以上の暴風域となっている。 (稲福政俊)

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