
NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」のファン感謝祭が8月28日、名護市民会館大ホールであった。ヒロイン比嘉暢子役の黒島結菜さん、鶴見県人会会長・平良三郎役の片岡鶴太郎さん、脚本の羽原大介氏がゲスト出演した。9月30日に迎えるドラマのクライマックスに向け、VTRでこれまでの物語を振り返りながら、これからの見どころや撮影秘話に花を咲かせた。
▼黒島結菜さん「すごく幸せ」 NHK朝ドラ「ちむどんどん」撮影終了
黒島さんが「地元の人たちの応援のおかげでここまでやってこられたと感じる」と謝辞を述べ、自身の役への思いを語ると、話題は片岡さんのアドリブへと移った。片岡さんは、暢子の披露宴で乾杯の音頭を取る場面で話した「かんぱーい、と言ったら乾杯してください」のせりふがアドリブだったことを明かし、「あのとき顔が鶴ちゃんになっていました」といたずらな笑みを浮かべた。
羽原氏は、同作が2001年の連続テレビ小説「ちゅらさん」のように、離島が舞台の案もあったと明かした。やんばる取材で出会った人々について「おおらかでたくましい。それらを登場人物像に反映できたらと(脚本を)書いた」と語った。当初、沖縄の「本土復帰50周年」という言葉から始まる、ドラマの企画書に身構えたという。「沖縄のやんばるの家族の物語だが、日本中の家族と共通する物語を紡ぐことを縦軸にすると決まり、少し肩の力を抜けた」と振り返った。
黒島さんは、同作で母・優子が沖縄戦でつらい思いをした過去を明かした場面に触れ、沖縄戦など「記憶として忘れられるが、覚えておかないといけないこと」(黒島さん)について、戦争を知らない世代へ「節目の年にこのドラマで伝えられて良かった」と力を込めた。
兄・賢秀役の竜星涼さんの熱心なアドリブが、ことごとくカットされていることや、片岡さんが、あまゆの常連客役で出演している県出身のお笑いコンビの芸名を、売れるために改名させたことなど、ドラマの裏側の話でも盛りあがった。片岡さんは「てぃんさぐぬ花」の独唱でも会場を沸かせた。
黒島さんは「これから比嘉家の人々がどうなっていくか、楽しみにしてほしい。(ドラマが)終わっても沖縄を盛り上げることができるよう、地元のためにやっていきたい」と話した。
【関連記事】