琉球新報社 
看板デザインやイベント企画のタム（糸満市、伊藝博社長）は、いらなくなった端材や残材のリサイクルにつなげる掲示板サイト「コム助」を運営している。工務店などでいらなくなった端材や残材などを企業単位で出品することができ、利用者登録をすれば誰でも購入できる。
伊藝社長は「受け取る際に生まれる人との関わりが、地域活性化にもつながる。端材や残材のリサイクルを個人で行う企業はあるが、掲示板としては国内でもほとんどない」と話す。
同社ではこれまで、看板製作時やイベントで余った材料を廃棄していたが、まだ使えるものに費用を掛けて処分することに抵抗があった。そこで、同じような工務店などと協力してゴミを減らす取り組みがしたいと、「コム助」の運営を決めた。
コロナ禍ではDIY需要が増し、ホームセンターなどで材料を手に入れる人が多かった。しかし、実際には少ししかいらないため、材料の廃棄がさらに増えてしまうことが多かったという。
伊藝社長は「大量生産、大量廃棄の時代を終わらせなければならない。ゴミだと思われる端材もDIYとして生き返り、環境にも優しい」と取り組みの意義を語る。
出品されている端材の価格は通常の半分以下ほどで、無料のものも多くあるという。
取引が成立したら出品する企業に直接受け取りに行く。転売は禁止するが、ものづくりをした後の加工品は自由に扱うことができる。
現在は、県内外の16の企業が出品者として登録されているが、タムは5年以内に千社ほどの登録を目指す。
（與那覇智早）
