フェムテックいかし働く女性の不眠改善へ、沖縄セルラーなど4社 専用のアプリで実験


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実証事業の成功を誓う(左から)沖縄セルラー電話の菅隆志社長、ハーライフラボのエリセーバ・オリガ代表、アクセルスターズの宮原禎社長、Naoko女性クリニックの高宮城直子院長=7日、那覇市の沖縄セルラー電話本社

 沖縄セルラー電話(那覇市)は6日から、ハーライフラボ(恩納村)、アクセルスターズ(福岡県)、Naoko女性クリニック(浦添市)と共同で、働く女性の睡眠改善に向けた実証実験を開始した。同事業は経済産業省の「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金」を活用したもの。更年期症状が出やすい40~59歳の女性を対象に、専用のアプリとウエアラブル端末を用いて睡眠状態を可視化し、不眠症状の原因特定と改善を図る。

 さまざまな研究によって、女性特有の健康課題は不眠症状と因果関係があると明らかになっている。特に働く女性の睡眠不足や睡眠の質の低下は脳機能を低下させ、生産性を落とすだけでなく、心の病気や免疫力の低下による生活習慣病の発症リスクにもつながることが指摘されている。

 今回の実証事業では沖縄セルラー電話が提供するヘルスケアアプリ「JOTO(じょーとー)ホームドクター」を活用し、実証企業4社の女性従業員を対象に不眠症状や女性の健康課題に関する事前問診を行った上で30人を対象に選定した。

 参加者には6~13日までアクセルスターズの睡眠測定技術を活用した腕時計型ウエアラブル端末を着用してもらい、睡眠データを可視化する。得られたデータと事前問診の内容を基に、ハーライフラボが個別にカウンセリングやセルフケア指導など、リラックスして心身ともに癒やすためのリトリートプログラムを設計し参加者に提供することで、不眠症状の改善を目指す。参加者の症状に応じてNaoko女性クリニックの医師によるオンライン健康相談で改善を促す。

 7日、那覇市の沖縄セルラー電話本社で会見した同社の菅隆志社長は「プログラムを通して多くの女性が少しでも悩みを解消し、いきいきと元気よく活躍できるよう役立ちたい」と強調。実証事業終了後は県内企業に福利厚生の一環として活用してもらえるよう、睡眠データを活用したリトリートプログラムサービスを設計する方針を示した。 

(当銘千絵)