ウグイスの「ホーホケ↑キョ」、南大東島では「ホーホケ↓キョ」 「ケ」が低い独特の節回し、少数派のさえずりが主流に


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さえずるウグイス(茨城県にて撮影、国立科学博物館提供)

 沖縄県南大東島のウグイスが独特の節回しでさえずることを、国立科学博物館動物研究部脊椎動物研究グループの濱尾章二グループ長が明らかにした。「ホーホケキョ」の「ケ」の音の周波数が低い。初めに本土から島に渡った少数の個体が偶然持っていた特徴が引き継がれた「創始者効果」とみられる。科博は8月31日、研究内容を発表した。

 濱尾氏は2019年に南大東島で19羽の雄のさえずりを録音。本土や島嶼(とうしょ)(喜界島)のさえずりと比較したところ、本土では4・5%しかいない独特のさえずりが、南大東島で主流になっていることが分かった。

 南大東島にはもともとウグイスはおらず、00年ごろから繁殖し始めたと考えられている。捕食者や雄のライバルが少ない島嶼部のウグイスは、さえずりが「ホーホキョ」「ホーヒョ」などと単純化するが、定着から約20年の南大東島は、まだ複雑さが残っている。

 濱尾氏は「ハワイのオアフ島では約80年前に野生化したウグイスのさえずりが単純化している。南大東のウグイスを観察することで進化の様子が分かるかもしれない」と話し、継続的な調査の意義を強調した。

 科博はさえずりの録音をユーチューブで公開している。URLはhttps://www.youtube.com/watch?v=rGngtIOc9Mk

 (稲福政俊)


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