低出生体重児、退院後に医療的ケア必要になる子も 訪問看護や施設整備、家族への支援拡充が必要


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
新生児集中治療室(NICU)で治療を受ける超低出生体重児(提供)

 低出生体重児は全国的にも増加傾向にある。医療の発達とともに救える命が増えた一方で、退院後も酸素吸入や経管栄養などの医療的ケアが必要になる子どもも多い。

 また運動や発語などの発達のスピードは妊娠37週以降の正期産で生まれた子どもよりもゆっくりになることがある。

 沖縄県はことし、低出生体重児特有の育児や成長の不安に応えるため、親が子の成長過程を記録できる「リトルベビーハンドブック」の作成に着手する予定だ。同ハンドブックは2018年に静岡県で初めて作成され導入する自治体が増えている。

 琉球大学病院周産母子センターの新生児集中治療室(NICU)で治療にあたる呉屋英樹医師は、ハンドブックの作成について「取り組み自体は評価する」とした上で「親の不安に寄り添うと同時に、家族が使える社会的資源の整備にも目を向ける必要がある。現状では子どもの症状が重ければ重いほど家族に負担がかかっている」と話す。

 子どもの看護で仕事を辞めたり収入が減ったりすることもあるため、経済的な補助や訪問看護の拡充などに加え、家族が子どもを預けて休む時間を作るレスパイト施設の整備や、災害時の支援体制を検討する必要性について指摘した。

(嶋岡すみれ)


【関連記事】

沖縄県内、低体重児の割合11% 40年以上ほぼワースト 県「体形、喫煙要因か」