ビール粕からコースター 琉球大の平城・小山さんデザインが表彰 オリオンなどが開発、年間4千トン排出を再利用


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表彰された平城有梨さん(前列左から2人目)と小山凜太郎さん(同3人目)=26日、豊見城市豊崎のオリオンビール本社

 ビール製造の過程で年間約4千トン排出される麦芽粕(かす)(ビール搾り粕)を再利用しようと、オリオンビール(豊見城市、村野一社長)などは「ビール粕コースター」の開発・製造に取り組んでいる。このほど琉球大学工学部工学科社会基盤デザインコースの学生からコースターデザインを募り、学生2人の作品が26日に表彰された。

 「ビール粕コースター」は乾燥・粉砕した搾り粕に熱を加えて圧縮することで、グラスの下敷きとなるコースターを成形する。今後、障がい者就労支援センターすばる(浦添市)にコースターの製造を委託し、販売していくことを予定している。

ビール粕コースターの試作品(提供)

 ハイビスカスを描いたデザインが選ばれた琉大大学院1年の平城(ひらき)有梨さん(23)は「沖縄にとって素晴らしい花だと多くの人に知ってもらいたい」と話した。大学1年の小山凜太郎さん(20)のデザインはビールの入ったジョッキが印象的で、「ふと目にした瞬間にどういうメッセージを伝えられるかを意識した」という。

 プロジェクトは琉大のほか琉球ブリッジ(浦添市、谷中田洋樹代表)、バイオアパタイト(滋賀県、中村弘一社長)が技術開発や製造を担当した。

(比嘉璃子)