国際規格で販路拡大へ 琉球うりずん物産(宜野湾)がジーマーミ豆腐製造でJFS-B認証取得


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
「JFS-B」認証の取得を喜ぶ(左から)久髙直也社長、石嶺成信さん、比嘉大介さん、大城正次工場長=22日、宜野湾市の琉球うりずん物産

 ジーマーミ豆腐と豆腐ようを製造・販売する琉球うりずん物産(宜野湾市、久髙直也社長)がこのほど、国際基準の食品安全規格「JFS-B」認証(落花生加工品の製造)を取得した。今後、海外輸出などの販路拡大に生かしたい考えだ。

 2023年に創業50年を迎える同社は1974年からジーマーミ豆腐の生産・販売を始め、90年半ば頃から主に県外向けに出荷している。2000年以降は沖縄ブームで需要が急拡大。08年には製造現場が追いつかなくなったことから加熱温度が不十分なまま商品を出荷したため、大規模回収に追い込まれた。

 同社はこの経験を機に、食品の衛生・品質管理体制の見直しに着手した。危険因子を除去・低減させるために重要管理点を定め、記録を取り管理する「ハサップ(HACCP)」の考えもいち早く取り入れた。

豆乳とデンプンを合わせ、煮炊釜で加熱しながらかき混ぜる製造スタッフ(提供)

 近年の食の安全に対する関心の高まりを受け、社内では「さらにワンランク上の品質管理を目指そう」という機運が生まれた。21年から大城正次工場長や製造担当の石嶺成信さん、比嘉大介さんを中心に1年がかりで準備を進め、今年6月27日付でJFS―B認証を取得した。

 大城工場長は「冷水機の温度管理から資材の仕入れ日時まで製造に関わる全てを記録し、全体で管理することを徹底した」と説明。管理体制を再構築することで、社員の食品安全に関わる意識と業務への責任がより強まったと振り返った。

 久髙社長は「従業員17人の小規模事業所でも、強い意志で達成できた。認証取得は社業への自信につながる」と述べ、今後は輸出も視野に入れ品質管理の向上を目指したいと意気込んだ。 (当銘千絵)