スマート腕時計で心拍数をウォッチ、心不全の重症化防止へ 浦添総合病院など3者が実証実験 


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スマートウオッチとスマートフォンアプリで心不全患者の心拍数を確認する

 浦添総合病院(浦添市)と沖縄セルラー電話(那覇市)、セコム琉球(同)は10月12日から、スマートウオッチとスマートフォンアプリで心不全患者の心拍数を確認し、異常値が出た場合は速やかな対応で重症化防止につなげる実証事業を始める。同病院の患者30人を対象に3カ月間で効果を検証し、サービス化につなげたい考え。

 3者によると、同様の取り組みは全国初。スマートウオッチは米グーグルのフィットビットを採用する。

 心不全の患者数は全国的に、高齢化を背景に増加傾向にある。県内では生活習慣病を抱える人が多いこともあり、県の資料によると心不全による死亡者数の増加率は全国を上回っている。

 実証事業では、フィットビットと沖縄セルラーのスマホアプリ「JOTOホームドクター」で患者の心拍数の推移を確認する。異常値が出た場合はセコム琉球が通知を受け、患者に連絡を取り必要に応じて診療につなげる仕組み。

 今回の実証事業では心拍数を用いる。浦添総合病院の上原裕規医師は、今後酸素飽和度など他の指標を組み合わせることで「さらに精度が高まり、重症化予防に寄与できるのではないか」と展望した。

(當山幸都)