【記者解説】知事2期目、試される公約実現力 「玉城カラー」発揮できるか


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2期目の就任記者会見に臨み、意気込みを語る玉城デニー知事=30日午後、県庁(又吉康秀撮影)

 2期目の船出を切った玉城デニー沖縄県知事は、総花的な方向性だけではなく、自身が最も推進したい公約を早急に示す必要がある。1期目は災害級の事案が立て続けに発生して対応に追われた面があった。自らが描いたビジョンをより推進しやすい政治基盤が整った2期目は、自身の思い入れがある公約実現に向けた指導力を発揮できるかが試される。

 翁長雄志前知事の急逝に伴う「弔い戦」とも目された4年前の知事選に対し、今回の知事選は玉城知事自身の信任投票の側面が大きかった。

 結果は自公の推薦候補に6万票余の差を付けて自身の支持の高さを示すとともに、同日選となった県議補選でも自らが率いる「オール沖縄」勢力が支援する候補が当選した。県議会で少数与党に追い込まれる事態を回避し、県政運営は一定の安定を維持した。

 翁長氏から引き継いだ当初の「居抜き県政」から脱皮し、「玉城カラー」を存分に発揮できる環境が整ったといえ、知事ブレーンの一人は「現職は2期目こそが最もやりたい政策ができる政治環境が整う。難しい課題に挑んでほしい」と期待を寄せる。

 激しい政治闘争の隙間に生まれた一定の政治力をこの4年間どこに注ぐか。玉城知事の手腕が注目される。

(梅田正覚)