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従業員エンゲージメントの向上 企業ビジョン共有が重要<けいざい風水>


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 昨今、「従業員エンゲージメント」向上への取り組みが注目されています。

 よく似た言葉として、「従業員満足度」がありますが、「従業員満足度」が従業員の労働環境などに対する居心地の良さを表すのに対し、「従業員エンゲージメント」は従業員が働いている企業の方向性に共感し、自発的に貢献したいとする意欲を指し、企業への信頼度や愛着を表しています。

 従業員エンゲージメントが高まると、会社への貢献意欲により従業員の主体的な行動が生まれ、生産性の向上も図られることで、顧客満足度の向上、企業業績の向上につながるとされており、離職率も低下すると言われています。

 従業員エンゲージメントを高めるためには、どのような取り組みをすれば良いのでしょうか。重要な要素として、企業のビジョンが浸透し、従業員がそのビジョンに共感しているかが挙げられます。ビジョンの共有により、自身が担当する仕事が社会にどう貢献しているかを実感でき、結果として企業への貢献意欲の高まりにつながっていきます。

 その他の要素として、働きやすい職場環境への対応や、社内コミュニケーションの活性化、上司・部下・同僚間での心理的安全性の確保、従業員のキャリア形成支援や納得感のある人事評価などが挙げられます。

 残念ながら、国内企業における従業員エンゲージメントは世界全体でも最低水準にあるとされています。従業員エンゲージメント向上への取り組みが広がることで、従業員の働きがい、顧客満足度・企業業績の向上につながっていくことを願います。

(沖縄銀行人事部上席調査役 新田宗一郎)