岸田首相「辺野古が唯一」 衆院本会議の代表質問、従来見解を繰り返す


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 【東京】岸田文雄首相は5日、衆院本会議の代表質問に臨み、野党代表らと論戦を交わした。米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設について「唯一の解決策」と従来の政府見解を繰り返した。沖縄振興については、基地問題とのリンクを否定した上で「強い沖縄経済をつくるための取り組みを着実に進める」と述べた。

 泉健太、西村智奈美両氏(立憲民主党)への答弁。泉氏は、在沖米軍基地での新型コロナの感染拡大や、有機フッ素化合物(PFAS)の問題などを踏まえ「せめて感染症や環境の分野に関しては日米地位協定の改定を行わないか」と述べた。

 岸田氏は「日米で緊密に連携し、一つ一つの具体的な問題に適切に対応する」と述べるにとどめ、地位協定改定への具体的な言及は避けた。

 西村氏は、沖縄関係予算の減額が続いている現状を踏まえ「基地への賛否と予算による振興策を絡めるアメとムチのような手法は取るべきではない」と指摘。岸田氏はこれに対し「必要な予算を積み上げて決定されるもので、基地問題とは関係していない」との見解を示した。
 (安里洋輔)