9月20日、国土交通省により2022年の全国基準地価が発表されました。全国平均では、住宅地は31年ぶり、商業地は3年ぶりに前年比で上昇率がプラスになりました。住宅地については、低金利が続いていることや住宅ローン減税等が、商業地については、2年超にわたるコロナ禍からの持ち直しの動き等が上昇に転じた要因として挙げられています。
沖縄県においても、住宅地(プラス2・7%)、商業地(プラス1・9%)ともに前年比で上昇しました。どちらも9年連続での上昇となります。市町村別でも、多くの市町村で上昇する結果となりました。上昇要因については先述の全国的な要因に加えて、住宅地は県民の持ち家率の低さからくる潜在的な住宅取得需要の高さや人口増加が、商業地については増加傾向にある入域観光客数の影響等が考えられます。
沖縄県の住宅地地価上昇率は今年まで7年連続で全国トップの上昇率となっています。一方で商業地は18年から20年まで3年間連続で全国トップの上昇率を記録していましたが、昨年はコロナ禍の影響による需要の減少や引き合いの弱まりにより上昇率が大幅に下落し、全国トップから陥落していました。
商業地は今年も全国トップの上昇率ではなかったものの、昨年に比べ上昇幅は増しており、経済回復への動きが見て取れます。今後、社会がアフターコロナにシフトするにつれて住宅地、商業地をはじめとする様々な土地利用の動きが活発になり、県経済の持ち直しとさらなる活性化につながることを期待したいです。
(おきぎん経済研究所研究員 小嶺貴史)