レプトスピラで死亡 県内16年ぶり 八重山の70代男性 汚染水など原因の感染症


社会
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レプトスピラ

 沖縄県は17日、八重山保健所管内に住む70代男性が、農作業や川遊びなどで感染するレプトスピラ症で死亡したと発表した。県内での死亡例は16年ぶり4例目。

 県によると、男性は10月5日に発熱、黄疸(おうだん)、腎不全の症状があり、医療機関を受診、入院した。既に重症化しており、回復することなく8日に死亡した。受診時からレプトスピラ症が疑われ、県衛生環境研究所が検体をPCR検査していたところ、死亡後の12日に感染が判明した。男性の行動歴は分かっておらず、感染源は不明。

 レプトスピラ症は細菌の病原性レプトスピラに感染することで引き起こされる感染症。ネズミやマングースなどの尿で汚染された水や土壌に傷や粘膜が触れることで感染する。潜伏期間は3~14日。頭痛や発熱、節々の痛みなどが主な初期症状で、重症化すると腎機能障害などが現れる。

 過去10年間の患者報告数は全国で407例で、そのうち県内は190例。本島北部と八重山での報告が多い。

 県は、農作業時に長靴や手袋を着用すること、皮膚に傷がある場合は河川での遊泳を控えることなどの予防策を提示し「抗生剤治療で重症化は防げるので、感染した場合は早期の受診が重要だ」と呼びかけた。
 (稲福政俊)


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