【中心商店街】騒音や深夜営業、治安の問題も…「共にビジョンつくれるリーダーを」<那覇市長選・市民協働の現場から>下


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那覇市中心商店街連合会が開催した公開討論会=15日、那覇市の旧牧志公設市場雑貨部

 沖縄県那覇市長選の告示を翌日に控えた15日夜、那覇市の旧牧志公設市場雑貨部で開かれた候補者の公開討論会は熱気に包まれていた。「まちづくりのビジョンは」「騒音など迷惑行為の対策は」―。候補者の翁長雄治さん、知念覚さんの政策や主張に、集まった商店街関係者、周辺住民らは熱心に聞き入った。

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 主催したのは那覇市中心商店街連合会。市長選候補者の討論会を企画したのは今回が初めてだ。司会を務めた第一牧志公設市場組合の粟國智光組合長は「騒音など治安の問題がある一方で、来春には新たな第一牧志公設市場がオープンする。まちぐゎーはまちづくりの分岐点にある。候補者がリーダーシップを取って課題に取り組めるのか、討論会で姿勢を確認したかった」と話す。

 中心商店街では近年、飲食店が増え、深夜・早朝まで営業する一部店舗に起因する酔客の騒音や立ち小便などが問題となっている。コロナ禍の影響もあり、これまで商店街の顔だった専門店がさらに減少し、代わりに飲食店が増えることで街の雰囲気が変わってしまうのでは、との懸念が商店街関係者の中にある。

 商店街関係者の中には深夜営業を規制する条例の制定を求める声も多い。だが市は「商店街は商業地域であり、届け出があれば営業時間の規制は原則できない」と慎重な姿勢を示す。6月には商店街関係者と飲食業者、家主らの意見交換会が開かれたが、営業時間に関する意見の溝は埋まらなかった。

 那覇市は今年、商店街の迷惑行為に対応するプロジェクトチームを発足させた。だが「実効性のある施策が出るのかはまだ見えない」というのが、粟國さんの実感だ。「今後、このエリアをどういう街にするのか。行政、住民、商売人が一緒にビジョンを考え、課題を解決できるような仕組みをつくりたい」  討論会の終盤、「皆さんが市長になったらどのくらい(現場に)飛び出せるか」という質問に聴衆から拍手が起こった。  両候補とも現場に足を運び、市長自ら先頭に立って課題を解決する姿勢を示した。協働のまちづくりをさらに推し進められるのはどの候補か。市民はそれぞれの思いを胸に一票を投じる。

(’22那覇市長選取材班)

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