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県内事業所構造の変化 個人経営が年々減少、その背景とは?<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 2022年5月に「令和3年経済センサス活動調査」の速報集計が公表されました。本調査は、日本国内全ての事業所・企業を対象として、その経済活動を全国的・地域的に明らかにする唯一の調査となっています。

 本調査の速報値によると、21年6月1日時点の県内の民営事業所数(事業内容不詳等除く)は、6万2205事業所、従業者数は58万1124人となっています。前回調査の16年時点では、6万4285事業所、従業者数は55万3619人となっており、事業所数が減少している一方で従業者数は増加していることが分かります(調査年度によって事業所捕捉の方法が異なることなどから、時系列の変化についてはあくまでも参考値となります)。

 21年の事業所数を経営組織別にみてみると、「個人経営」が全体の47・0%、「法人」が51・5%となっています。「個人経営」については年々減少傾向にあり、54・5%あった16年時点から7・5ポイント減少、今回の調査ではじめて50%を下回ったと考えられます。

 全国については「個人経営」が32・2%、「法人」が67・2%となっており、本県よりもさらに「個人経営」の割合は小さくなっています(最も「個人経営」の割合が小さい地域は東京都で22・5%)。

 直近の県内景況は、新型コロナウイルス感染症の影響や燃料・物価高など、厳しい経営環境が続いています。「個人経営」から「法人」への転換による経営基盤強化なども想定されることから、事業所構造の変化はさらに進むものと考えます。

(おきぎん経済研究所研究員 與那覇徹也)