【日/En/Es】故郷を思い支え続ける~県系人の歩み・ハワイ(米国ハワイ州)<海を越え、つながる輪>


この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬
ハワイ県系人の活動を支えるため建設され落成を迎えた「ハワイ沖縄プラザ」=3日、米ハワイ州ワイパフ

 まっちょーたんどー!今月30日から11月3日の日程で第7回世界のウチナーンチュ大会が行われます。新天地を夢見て世界に羽ばたいたウチナーンチュやその子孫が故郷沖縄に帰ってきます。小中学生新聞にこれまで掲載してきた連載「海を越え、つながる輪」の中から、県系人の歩みと現地で活躍するステキな先輩を紹介します!

[English]Matcho-tando! The 7th Worldwide Uchinanchu Festival will be held from the 30th of this month to the 3rd of November. Uchinanchu and their descendants who dreamed of a new land and spread their wings to the world will return to their hometown Okinawa. From the series of articles in the elementary and junior high school newspapers, "Crossing the Sea, Connecting Circles," we introduce the progress of Uchinanchu and their wonderful seniors who are active in their hometowns!

[Espanol]¡Machotando! Los VII Juegos Mundiales de Uchinanchu se celebrarán del 30 de este mes al 3 de noviembre. Uchinanchu y sus descendientes, que soñaban con un nuevo mundo, volverán a su ciudad natal, Okinawa. A partir de la serie "Cruzando el mar, enlazando el círculo" en el periódico de la escuela primaria y secundaria, presentamos el progreso de Uchinanchu y sus maravillosos mayores que son activos en sus ciudades de origen.

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ハワイ県人会から沖縄に送られた物資(那覇市歴史博物館提供)

English   Espnol

 1900年、沖縄県初の海外移民26人がハワイの地に降り立ちました。彼らは白人が経営するサトウキビのプランテーション(大規模農場)で契約労働者として厳しい労働に従事しました。1903年には第2回ハワイ移民として、海外移民の父・當山久三率いる40人が来島。以降、沖縄からの移民は増え続け、戦前2万人もの県民がハワイに移住しました。彼らは懸命に働いて故郷に送金し、沖縄の経済を支えました。

 太平洋戦争が始まると、アメリカ全土で日系人の排斥運動が激しくなりました。苦しい立場に追いやられた日系人は、アメリカへの忠誠を示すために米軍へ志願。ハワイからも多くの県系2世が戦場へ赴きました。

 戦後、地上戦で焼け野原となった沖縄を救おうと、各国の県人会から救援物資が寄せられました。いち早く手を差し伸べたのはハワイの県系人でした。衣類や書籍、文房具などの日用品だけでなく、生きた豚550頭を届けました。寄付を募り5万ドルもの大金を集め、アメリカ本国で豚を購入して届けたのです。翌年には800頭のヤギを贈りました。ハワイからの豚は食糧難に苦しむ県民を救い、養豚業を復興させ、沖縄の食生活を守りました。その後もハワイの県系人は文化や教育の面からも支援を続け、沖縄の復興に力を尽くしました。

 1985年、沖縄県とハワイ州は姉妹提携を結び、さまざまな分野で交流を深めてきました。2014年には父方の祖父母が沖縄出身のデービッド・イゲ氏がハワイ州知事となりました。県人会のハワイ沖縄連合会の活動も活発で、ウチナーンチュとして文化の継承に力を入れています。

 


 

金城しずくさん(左から3人目)と沖縄コミュニティー「SHINKA」メンバー

<ステキな先輩!>世界の若者の懸け橋に/沖縄国際大学4年 金城しずくさん(23)

English   Espnol

 2020年11月、世界各国の若い県系人80人がオンラインで絆を深めるイベントが行われました。運営に携わった金城しずくさん(23)=糸満市=は「ハワイ留学で、現地のウチナーンチュネットワークに感動した。世界の若者ウチナーンチュをつなぐ懸け橋になりたい」と力を込めます。

 沖縄国際大学で英語と沖縄について学んできた金城さんは20年2月に語学留学のためハワイ・オアフ島を訪れました。ホームシックに悩む中、訪れたショッピングセンターで「ウチナーンチュに見える団体」に遭遇。思い切って話し掛けるとやはり県系人で、若者が立ち上げた沖縄コミュニティーを紹介してくれました。「コミュニティーの若者は県系4世、5世が多く、会話も英語中心。でもウチナーンチュであることに誇りを持ち、積極的に沖縄文化を継承していた」と振り返ります。

 帰国後も世界の若い県系人と交流を深めている金城さん。今後、ウチナーンチュネットワークを強めるためには県内の若者の力が必要だと感じています。「私たちも彼らに負けないくらい沖縄の文化や言葉を学び、発信していきましょう」と呼び掛けました。
                                                          (2021年2月7日付りゅうPON!掲載)


 

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