平和発信へ沖縄戦学ぶ 名桜大でワークショップ 学生たちがガマ避難を追体験


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講師の玉城直美さんと戦争について考える学生ら=20日、名護市の名桜大学

 【名護】沖縄平和啓発プロモーション事業の一環で、県は20日、名護市の名桜大学でワークショップを実施した。沖縄NGOセンターの玉城直美代表理事が「難民~沖縄戦、人の移動から考える平和」と題し講義した。1年次の学生約120人がガマへの避難を追体験し、平和について考えた。

 講義では難民の定義と最新のデータを確認し、玉城さんが「世界には8930万人の難民がいるが、沖縄戦でも海を渡れず、ガマに逃れた人々は戦争避難民だったといえる」と説明した。

 学生らは沖縄戦当時の子どもの立場で、何を持ち、誰と、どこのガマに逃れるかを、講義室内を移動しながら考え、議論した。その上で実際の沖縄戦体験者の資料を読み、当時の「集団自決」(強制集団死)の極限状態の中で、持ち物の毛布などが燃やされ、煙が充満したなどという記述に触れた。

 県女性力・平和推進課の比嘉奎介さんは「今も生死の分かれ道に立っている人がいる。そんな状況に立たされないためにも、自分に何ができるかを考え、平和について皆さんが伝える側になっていただきたい」と話した。

 学生からは「世界で起こっていることに目を背けずに生きていきたい」などと声が上がった。
 (増田健太)