進化するシンカヌチャー ペルー県系3世・アルベルト城間さん<世界のウチナーンチュ大会>


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スタジオで熱唱するアルベルト城間さん=6日、宜野湾市のピーエムエージェンシー(ジャン松元撮影)

 ディアマンテスのボーカル、アルベルト城間さん(56)は、第1回大会から参加する「ミスター・世界のウチナーンチュ」だ。第7回大会もグランドフィナーレでステージに上がる。「世界のシンカヌチャー(仲間たち)が集まる、最高の大会だよ」と、世界の同胞との再会を待ち望む。

 ペルー・リマ市出身の県系3世。幼い頃は「ウチナーンチュ」を意識せず、日系人として育った。1世の祖母が持っていた日本の歌謡曲を聴き、日本に興味を抱いた。19歳の時にのど自慢大会で優勝。副賞で日本行きの航空券を手に入れ、日本で歌手になることを決意した。

 来日後に言葉の壁にぶつかり、祖父母の故郷・沖縄にやって来た。居酒屋でアルバイトをしながら三線や太鼓を学び、夢をかなえた。迎えた1990年の第1回大会。小さなステージに立ち、「コンドルは飛んでいく」を歌った。「世界中から元気な1世がたくさん来ていた。感動でした」

 第2回大会の開催時には、ディアマンテスを結成していた。ラジオ番組から生まれた「片手に三線を」は大会のテーマソングに選ばれた。名曲は世界のウチナーンチュの心を打ち、続く第3回大会もテーマソングに。大会を代表する歌になった。

 大会で多彩なアーティストと「チャンプルー」するのも楽しみの一つ。第6回大会はきいやま商店と共演したのが思い出深い。「もっとチャンプルーしたいね」と語る。

「レゲエの次に世界を席巻する音楽は、沖縄から生まれると思うよ」

 「世界のウチナーンチュたちが沖縄の力になる。進化した沖縄は外にいるウチナーンチュの力になる」。全大会に参加して感じるのは、チャンプルーして進化するシンカヌチャーの姿だ。
 (稲福政俊)

 

<プロフィル>

 あるべると・しろま 1966年6月13日生まれ、ペルー・リマ市出身。のど自慢大会優勝を機に来日し、86年に来沖。ライブ活動の傍ら日本語と琉球古典音楽を学ぶ。91年ディアマンテス結成、93年にメジャーデビュー。「片手に三線を」は第2回、第3回の世界のウチナーンチュ大会テーマソング。