沖縄戦や移住…「つながってきた命」を実感 世界若者ウチナーンチュ大会、歴史知り未来を見据え


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家族の移民の歴史を紹介するゲストスピーカーの並里康次郎さん(下段右)と大城ジュリアネさん(中段中央)と参加者たち=27日

 27日、オンラインで開幕した「第7回世界若者ウチナーンチュ大会 沖縄・2022」。参加者たちは、祖父母や家族の話から、戦争や移住の苦労を経て“つながってきた命”を実感し、沖縄の歴史から未来を見据えた。初のオンライン開催を支えたのは学生たち。慣れない言語も使って打ち解けた雰囲気をつくり、会話に花が咲いた。

 「623って知ってる?」。グループ議論で進行を務めた沖縄国際大2年の具志知樹さん(19)は問い掛けた。「分からない」とみんなが答える中、6月23日は「慰霊の日」で、沖縄戦の戦没者を追悼するため休日となっていると伝えた。具志さんの祖父と曽祖父は沖縄戦で亡くなったことを説明した流れで聞いてみたという。「若い世代は慰霊の日への意識も薄れているけれど大切にしたい。沖縄に生まれたから、沖縄のいい所や、みんなが知らないことを伝えたい」と話した。

 沖縄国際大4年の大城もえなさん(21)は前回の世界のウチナーンチュ大会の閉会式に足を運び、「自分も開催する立場に立ってみたい」と若者大会のボランティアに応募した。他の参加者から祖父母の戦争体験や言葉に苦労した話を聞き「(命が)つながっているんだな、と実感した。今は翻訳機もあるが、昔はどうしていたんだろう」と驚きを語った。

 27日の企画リーダーを務めたのは沖縄国際大3年の神里美空(みく)さん(20)。「チャットの活用で思った以上に盛り上がってくれた」とほっとした表情を見せた。大会では一から企画を任され、「学ぶことが多い」と目を輝かせた。28日は「あなたの市町村自慢」、29日は「ゆんたく会」と「Uchinanpic2022」が開かれ、閉幕する。
 (中村万里子)