米空軍嘉手納基地が来年退役させるF15戦闘機は、老朽化を理由に米本国では一足早く退役が進められてきた。嘉手納基地に配備されているF15で最も古い機体の配備は1979年で、平均的にも80年代前半となっている。システムは改修を繰り返してきたが、近年は老朽化による稼働率低下も問題となっていた。
F15の退役に伴い、米空軍はアラスカ州に配備している第5世代戦闘機F22を半年ごとに嘉手納にローテーション(巡回)配備する計画。米軍はF15の退役と平行してF22を巡回配備することに伴い、一時的に嘉手納の機数が増えることもあるとしている。
F15とF22の騒音レベルはそう大きくは変わらないとされる。F22の過去10年間のクラスA事故率は10万飛行時間当たり2・50件。F15は1・80件で、F22の方が高くなっている。
一方、嘉手納基地には同じく第5世代戦闘機で騒音レベルが特に高いF35もたびたび飛来し、暫定配備もされてきた。常駐機の退役を契機に、その「穴埋め」としてF35など外来機の飛来が恒常化する場合、住民の騒音被害軽減につながるかは不透明だ。
嘉手納基地は28日、今後2年をかけてF15を退役させながら、後継となる戦闘機を再び配備する意向も示した。米太平洋空軍は嘉手納のF15C戦闘機について、次期機であるF15EXへの更新を目指していた。F15EXは米空軍全体の調達数が当初の予定よりも減り、現状は嘉手納配備のめどが立っていないが、将来的にはその可能性も考えられる。
(島袋良太)