沿道から「おかえり!」待ち望んだ再会に「元気もらった」 世界のウチナーンチュ、笑顔で里帰り 前夜祭パレード


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世界のウチナーンチュ大会の前夜祭パレードで、参加者に手を振る大勢の人たち=30日、那覇市の国際通り(小川昌宏撮影)

 6年ぶりとなった第7回世界のウチナーンチュ大会。参加者の規模は前回より縮小したものの、30日に国際通りで開かれた前夜祭のパレードは、各国・地域の民族衣装や音楽に彩られ、熱気に包まれた。沿道に詰めかけた大勢の県民から「お帰り」と出迎えられ、帰郷を実感した世界のウチナーンチュたち。「いちゃりばちょーでー」と「肝心(ちむぐくる)」にあふれる沖縄で、古里のウチナーンチュと心を通わせ、一体感に包まれた。

 第7回世界のウチナーンチュ大会の前夜祭パレード。各国から帰ってきたウチナーンチュが那覇市の国際通りを練り歩いた。通りは各国の民族衣装や音楽にあふれ、家族や友人との再会を喜ぶ人らの笑顔に包まれた。

 北米沖縄県人会のパレードで先頭を歩いたカリフォルニア在住で沖縄市出身のサンドバル・トシコさん(80)は、第2回大会から毎回参加している。「ウチナーンチュに会えて元気をもらった。もっと長生きしそう。幸せ」と声を弾ませた。

 ザンビアから参加した高良初子さん(88)は、1977年にザンビアに移住し教育支援で活躍してきたウチナーンチュだ。「久しぶりに会う人もいて懐かしく思った。“栄養”をもらった。まだまだ頑張る」と力強く話した。

 親戚同士で宜野座村からパレードを見に来た伊差川愛子さん(74)と安富明美さん(71)は、約60年前に米カリフォルニア州に移住したいとこや、アルゼンチン在住の叔父らと再会した。伊差川さんは「いとこはウチナーンチュ大会のたびに帰ってきてくれるので大会がとても楽しい」と満面の笑みで語った。

 沿道でカチャーシーを踊っていた宮城文さん(88)=那覇市=は「6年ぶりの開催。いつお迎えできるかと思っていた。ぜひ今日は、と思ってきた」と足を運んだ。沖縄戦後、生活難から移住した人を見てきた。「年寄りの一人として敬意を表したい」と移民たちの苦労に思いをはせ、活躍をたたえた。
 (中村優希、中村万里子、稲福政俊)