「またんめんそーりーよー」5年後の再会誓う 太鼓とカチャーシーで思い一つ 世界のウチナーンチュ大会閉会式・グランドフィナーレ


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エイサーのリズムに太鼓をたたいて踊る子ども=3日、沖縄セルラースタジアム那覇(ジャン松元撮影)

 夕日が差し込む青空の下、始まった3日の閉会式・グランドフィナーレ。世代を超え、世界のウチナーンチュたちの島への愛と先祖への思いが一つになった。この時を心に、記憶に刻んだ。再会に笑い、泣き、喜び、体中にウチナーを感じた4日間。「私たちが思いを受け継いでいく」。各国に息づく沖縄文化を担う人々が、沖縄と未来への架け橋となることを誓った。沖縄の繁栄と平和を願い、それぞれの国へ帰っていく。5年後の再会を誓って。

 「またんめんそーりよー まっちょーいびんどー(またいらっしゃってください。待っていますよ)」。前日までの天気がうそのような秋晴れの夜空の下、ルーツの地で交歓した世界のウチナーンチュたち。次の大会への期待を込め、会場からは拍手と指笛が沸き起こった。

 スマートフォンのライトをともした温かな光のウエーブ。太鼓が鳴り響くとじっとしていられなくなり、巻き起こったカチャーシー旋風(せんぷう)。司会の「ARE YOU HAVING FUN(楽しんでいますか)?」の呼びかけに、参加者は手をたたき、指笛を鳴らして喜びを分かち合った。

閉会式を終え、抱擁をかわす参加者=3日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇

 海外参加者を代表してペルー県人会の小橋川ラウールさんは「ビバ ラ ビーダ、ビバ ラ ウチナーンチュ(人生に幸あれ、ウチナーンチュに幸あれ)」と語りかけると会場は各国旗の手旗を振って応えた。

 「グランドフィナーレ」の文字がスクリーンに表れると、会場のボルテージは最高潮に。一人一人が両手を高く上げ、客席が何度もうねった。風になびく国旗を見て自国や出身地の名を高らかに叫ぶ人もいた。

 オンライン中継で各地のウチナーンチュともつながった。ハワイは夜中の1時15分。宮平リンさん(41)らが「すごく盛り上がってるよ」と手を振った。県系5世の比嘉ニコちゃん(1)も登場し、次世代のウチナーンチュを歓迎する拍手が巻き起こった。

 ディアマンテスの陽気なリズムを笑顔で聴いていた城間盛義さん(80)は1971年に首里石嶺町からグアムに移住し51年。懐かしさと温かさに包まれ、「最高だ」と目を輝かせた。

 フィナーレの曲で会場は総立ちとなった。ペルー県系2世のチエ・ヒガさん(74)は「素晴らしい。たくさんの愛を感じた」と胸打たれた様子だった。大会が幕を閉じても、心一つに結ばれた参加者らは別れを惜しむように語らっていた。
 (比嘉璃子、中村万里子)