久辺3区に直接振興費 政府、辺野古推進で来月にも


この記事を書いた人 志良堂 仁

 【東京】米軍普天間飛行場の移設先の名護市辺野古周辺の辺野古、豊原、久志の3区(久辺3区)と政府の懇談会が26日夕、首相官邸で開かれ、政府側は久辺3区区長らに対して、本年度の予算から直接振興費を交付する方針を伝えた。会談後に記者団の取材に応じた井上一徳沖縄防衛局長は額や法的枠組みは「検討中だ」として明らかにしなかった。関係者によると、直接補助費は各区に1千万円程度の割り当てで支出される予定で、防衛省は早ければ11月初旬にも交付する方向で財務省などとの調整を進める考え。

 懇談会は5月に名護市で開かれて以来、2回目となる。井上氏のほかに政府側から菅義偉官房長官、久保田治沖縄総合事務局長ら、久辺3区からは区長と行政委員らが出席した。
 会談の冒頭、菅官房長官は「さまざまな動きはあるが、政府としては自然環境、住民の皆さんの生活環境に最大限、配慮しながら工事を進める考えに変わりはない」と述べ、辺野古移設に理解を求めた。
 3区を代表し、嘉陽宗克辺野古区長は「第1回の懇談会の要望事項に対して、目に見える形で実現できるよう説明いただけると期待しているところだ。要望事項の一つ一つを実現させ、区民の目に見える形で進めていただければと思う」と述べた。懇談会終了後、3区長らは取材に応じなかった。
 会談後、井上沖縄防衛局長は政府側から(1)直接振興費の支出(2)名護市が再編交付金を積み立てて設置している「久辺3区コミュニティー事業基金」を久辺3区が要望する事業に活用することを名護市に働き掛ける(3)名護防衛事務所をキャンプ・シュワブ近傍に移転する│などの方針を伝えたことを明らかにした。