政府の有識者懇談会は7日、地域の特産品や文化を生かし活性化に取り組んだ成功事例「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」の最優秀賞に当たるグランプリに、地域で生産したシルクをスキンケア商品に加工し、ブランド化して海外進出した今帰仁村の企業「沖縄UKAMI養蚕」を選んだ。
養蚕などに荒廃農地を活用したほか、高齢者や障害者の所得向上に貢献したことが評価された。
優秀賞は計5の団体、個人が受賞。ビジネス部門では、観光客が農作業を手伝いながら滞在する「農泊」を地域で推進した「伊根浦地区農泊推進地区協議会」(京都府伊根町)や、地元で生産した芋を使った菓子の製造、販売を手がける企業「四万十ドラマ」(高知県四万十町)を選んだ。
コミュニティ部門では、網走湖畔に交流拠点を開設した「オホーツク農山漁村活用体験型ツーリズム推進協議会」(北海道網走市)、カキの殻を粉砕して農畜産物の生産に活用した「瀬戸内かきがらアグリ推進協議会」(岡山市)が受賞した。
個人部門では、山で牛を放牧し、観光客らにバター作りを体験してもらうなど食育に取り組む島根県奥出雲町の大石亘太さんが獲得した。
岡田直樹地方創生担当相は首相官邸で開いた会合で「この表彰は地域づくりの大きな原動力になる。地域の知恵や工夫が大きく実を結ぶよう、これからも手伝いたい」と述べた。
政府は「農山漁村の宝」を「むらのたから」と呼び、選定した団体や個人の活動をホームページなどで紹介している。9回目の今年は全国から616の応募があった。
(共同通信)