“故郷”の島で園芸学ぶ ボリビア出身の上間さん、金武で研修


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
研修する上間カリーナさん(左)と指導する伊藝安政さん(手前右)、裕美子さん=10月17日、金武町のアンデス農園

 【金武】国際協力機構(JICA)の事業で初来沖した県系の上間カリーナさん(43)=ボリビア出身=が、金武町のアンデス農園(伊藝裕美子代表)で3カ月間の花卉(かき)栽培研修に取り組んでいる。農園の創業者、伊藝安政(あんせい)さん(75)もボリビア移民の経験から熱帯植物に詳しいため、上間さんは「ここで技術を習得し、ボリビアで経営する園芸業に役立てたい」と意欲を見せる。

 300種以上の熱帯植物に囲まれた同農園で、安政さんが「ドラセナはいったんサマイパタに持って行くといい」と助言すると、上間さんは「気候によって色が変わりますよね」と応じた。気温が下がると葉の色が赤や白に変わる特性を利用し、標高が高く気温が低い村、サマイパタで栽培すると、きれいな色が出るのだという。

 上間さんはボリビア生まれで、最大都市サンタクルスで園芸販売業を営む。父・節男さん(75)は19歳の時、今帰仁村生まれの祖父・嘉正(かせい)さんらと家族で南米に渡った。園芸を始めた父はサマイパタでカンヒザクラを広め、今でも生産している。

 アンデス農園では12月まで住み込みで作業に励む。植物を求めて南米を渡り歩いた安政さんと、裕美子代表(63)の夫妻の自宅に寝泊まりしている。上間さんは2人を前に「ここの植物の育て方、接ぎ木やフラワーアレンジメントなど何でも覚えて帰りたい」と話した。(増田健太)