ドローンとAIで鉄塔点検、作業時間が15分の1に 沖縄セルラーが実証実験、実証化目指す


この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社

 沖縄セルラー電話(那覇市、菅隆志社長)とKDDIスマートドローン(東京、博野雅文社長)は15日、ドローンを使った鉄塔のサビ点検の実証で、従来の作業方法よりも点検時間を15分の1程度、画像の判定時間を50分の1程度にそれぞれ短縮化できたと発表した。ドローンやAI技術を駆使することで作業の安全確保や効率化、コスト削減などが期待できるとして、今後も実用化に向けた検討を進める。

 沖縄セルラーの鉄塔型基地局は県内に百数十ある。従来の方法では、作業員が高所に登って目視や写真撮影で点検。事務所に戻って写真を確認整理するなど、作業の安全確保や効率化が課題となっていた。

 ドローンを使った実証では、1鉄塔当たり5時間かかっていた点検作業が、約20分に短縮された。撮影した画像解析には、沖縄セルラーが本島北部で取り組んできたAIによるマングースの自動画像判別のノウハウを活用。サビの判定に要する作業時間も50分の1ほどになった。

 沖縄セルラーでは来年度の点検から順次導入を検討し、実用化を目指す。山森誠司専務は「(基地局以外にも)送電線の鉄塔など、維持メンテナンスが必要なものにさまざまな応用ができる。広げていきたい」と期待を込めた。
 (當山幸都)