沖縄県、DX推進で「スマート県庁」へ 行財政改革の次期計画に明記 その詳しい内容と狙いは?


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 県の行財政改革推進本部会議(本部長・玉城デニー知事)が21日、県庁で開かれ、2023年度からの次期計画「新沖縄県行財政運営プログラム(仮称)」の素案が決まった。素案では、沖縄でも将来的な人口減少が見込まれるとして、今後の行政運営にはSDGs(持続可能な開発目標)やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が必要と明記された。その上で今後、新たにデジタル技術を活用した「スマート県庁の構築」を目標に掲げた。引き続き事業効率化による「持続可能な行政運営の構築」も目指す。

 県の行財政改革は1986年度に始まり、21年度末に第8次計画を終えた。本来は22年度から次期計画が開始予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で策定が遅れた。次期計画期間は23~27年度となった。基本理念に「多様な県民ニーズへ迅速かつ的確に対応し、県民福祉の増進を目指す行政運営の『質』の向上」を据えた。前計画では実施項目は29あったが、次期計画では25に再編した。スマート県庁の実現に向け、二次利用がしやすいファイル形式でのオープンデータの充実や公金支払いのオンライン化、データを踏まえた政策立案(EBPM)の推進、財務会計システムの電子決済などを実施する。

 一方、持続可能な行政運営に向けては、行政と民間が連携してサービス提供や公共施設を整備するPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)、PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)を推進するとした。時間外勤務の縮減や女性管理職の拡充などを通した働き方改革も進める。

 会合に出席した玉城知事は「今後も引き続き行政の『質』の向上に取り組み、県民本位の行政運営を目指す」と述べた。

 県は素案に対するパブリックコメントを12月初旬からHPで開始する。議論を踏まえて23年3月に次期計画を決定する。
 (梅田正覚)

2023年度からの新たな県行政運営プログラムについて議論する県幹部ら=21日、県庁