会議が多くて担当業務に影響が出ています…お悩みに応える効果的な会議運営のコツ<沖縄お仕事相談デスク>


この記事を書いた人 アバター画像 田吹 遥子

今回のお悩み

会議が多く、担当業務に影響が出ています。

「会議を開く」ことが目的になってしまい、何が決まったのかわからない無駄な会議も少なくありません。

効果的な会議にするためには、どうすればよいのでしょうか。

 

今回の回答者は…

組織づくりならお任せ!

Cosmic Consulting代表で組織コンサルタントの

波上こずみさんです。

 

みなさんの会社は、有意義な会議をしていますか。

業務を遂行する上で会議は欠かせないものですが、中にはダラダラと話をしているだけで、無駄だと感じる会議もあるのではないでしょうか。

ある調査によると、会社員の7割以上が「会議を短くしたい」という結果が出ているそうです(合同会社Endian「会議時間と生産性」に関するアンケート調査2022年3月)。

また、約3割の会社員が会議を無駄だと思っているとのデータもあり、その特徴として

・何も決まらない

・終了時刻が伸びる

・些細な議題で会議を開く

ということだと実感しているそうです。(パーソル総合研究所・中原淳(2017-8)「長時間労働に関する実態調査(第一回・第二回共通)」)

 

長い会議が続くと、貴重な時間を奪われて自分の仕事にも影響が出てくると思います。会議の質が低いと、チームや組織全体における生産性も低下してしまい、組織として損失になってしまいます。

例えば30分の会議でも、参加者が10人いれば30分×10人=300分(5時間)もの時間を費やしていることになります。多くの時間を費やしていても、その会議が効果的に運営されていなければ、それは無駄な時間と言わざるを得ません。

では無駄な会議を防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか。

 

(1)  会議の種類・目的を明確にする

会議にはいくつかの種類があります。その主な種類は、以下の5種類です。

1. 報告や連絡(決まったことを伝える)

2. アイデアを出す・ブレーンストーミング(自由に考えを述べる)

3. 問題を発見する(今後起きそうなトラブルを未然に防ぐ)

4. 問題を解決する(発生した問題について有効な策を検討する)

5. コーチング型(上司が部下の教育をする)

 

報告・連絡の場なのか、意見を自由に出し合っていい場なのか、一言で会議といってもその目的は異なります。多くの会議は関係者を集めて、その目的を共有しないままダラダラと時間をかけて話し合っているだけで、論点がずれたまま結論が出ないというケースに陥る傾向にあります。

まずは会議の目的を参加者全員で共有することが、大事なポイントになります。

また、報告や連絡のための会議については、あえて集まって共有する内容でない場合も多いかと思います。その際、社内コミュニケーションツールを効果的に活用することをおすすめします。参加者が集まる必要があるのか、最初に見極めることも重要な観点です。

(2)  必要な情報は事前に共有する

話し合いをするにあたり、参加者で共有しておきたい情報や資料がある場合、当日会議が始まってからその場で読み上げることはできる限り避けましょう。限られた時間を有効に使うためには、話し合いの時間に重きを置くような工夫が必要です。そのためにも、会議前までに必要な情報は参加者全員に共有しておきましょう。

 

(3)  グランドルールを決める

さまざまな役職の方々が揃う会議に見られる傾向として、上の立場の方が発言する時間が多いことが挙げられます。上司としては部下に発言を促しているつもりでも、部下が勇気を出して意見を述べたら「それは違う。なにもわかっていない」と否定され、発言するモチベーションを奪ってしまうという会議を体験したことはないでしょうか。

例えば部下から意見を聞く場ではなく、決定事項を伝える場であれば、最初にその目的を共有してください。逆にブレーンストーミングのように、立場に関わらず積極的に意見を出して欲しい場であれば、「今日は役職に関係なく全体から意見を募る場であること」「他者の意見を尊重すること」など、予め会議でのグランドルールを設定し、共有すると良いでしょう。

 

(4)  会議の運営について参加者全員で共通認識を持つ

会議の内容に入る前に、会議運営(目的、ゴール、流れ、終了時刻)について全員で認識を合わせてスタートすることもポイントです。特に「何がゴールなのか」と「終了予定時刻」については、全体で認識を合わせておかないと、ダラダラ話し合いが長引いたり、結論が出ず尻切れトンボ状態で会議が終了してしまいかねません。

 

【会議の開始時に共有しておくと良いこと】

・テーマ

・会議の目的(種類)

・会議のゴール

・会議時間(時間配分と終了時間)

・運営の役割(進行、記録、タイムキーパーなど)

 

また、会議終了後には以下のことについて、認識を合わせておくと良いでしょう

【会議の終了時に共有しておくと良いこと】

・本日の会議で決まったこと

・次回までのアクション

・役割分担

・次回会議の詳細(日程、テーマなど)

(5)  会議で決まったことを迅速に共有する

参加者全員が揃っていない会議もあるかと思います。

その際、不参加だったメンバーが次の会議で置いてきぼりにならないために、会議で決まったことはできるだけ早い段階で、可視化して共有しておきましょう。

会議の種類にもよりますが、一言一句記載した議事録を作成するために時間をかけて、情報共有が後手になってしまわないように、ポイントを掻い摘んで可視化し、早めに共有することが大事ではないかと思います。

 

いかがでしょうか。

たかが会議ですが、時間を費やしていることを考えると、有効な会議運営が重要になります。そのために、会議を運営する人だけではなく、参加者全員で会議運営やその目的、ゴールなどを理解しておくことで、より有意義な会議につながります。ぜひ実践してみましょう。

◇執筆者プロフィル

波上こずみ(なみのうえ・こずみ)
株式会社Cosmic Consulting  代表取締役。組織コンサルタント

子育て・介護と仕事との両立に苦しんだ経験を踏まえ、2016年に起業。

「働く人のモチベーションを組織の活力へ!」をテーマに、沖縄の企業や個人を対象としたコンサルティングを手掛けている。
那覇市首里生まれ。1男1女の2児の育児中。

 楽しく働くためのコツ、チームで成果を上げるためのポイントなどを綴ったnote→ https://note.com/cosmic56