早くて鮮やか…「デジタル魚拓」に注目 手軽にSNS共有、若者にも支持 扱う業者や店舗も増


社会
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スマホのカメラで撮影して作成したデジタル魚拓(宮城創さん提供)

 動画共有サイトやSNSを通じて若者や女性にも釣りが広まり、楽しむ人が増えている。そんな中、注目されているのが「デジタル魚拓」だ。紙や布への印刷に加え、画像として保存できるため、SNSへの掲載、パソコンやスマホ内にコレクションすることも可能だ。背景や文字を自在にカスタマイズでき、主にSNSを活用する若年層の支持を得ている。また、実際の魚がなくても写真があれば制作できることから、過去の写真を使用した思い出の作品作りや贈り物としてのニーズも増えているという。

 魚拓は魚に墨や絵の具を塗って紙や布に転写し、現物の大きさを記録する。記録用やインテリアとして愛好家に親しまれている。通常は魚を釣った後に専門店へ持ち込み、墨を塗って型を取り約1週間かけて加工処理を行う。基本的に単色のため、実際の魚の色合いや質感を再現することは難しい。

デジタル魚拓をオーダーし「釣った魚の記録をきれいに残せてうれしい」と話す新里優真さん(那覇市)

 「デジタル魚拓」は、釣った魚をスマホやデジカメで撮影、氏名や連絡先、魚の種類や大きさを専用フォームで送信するだけで、フルカラーの魚拓が2日程度で仕上がる。細かい傷や汚れのデジタル補正、背景の編集も可能で、ルアーやさおなど釣り具を並べることもできる。

 専門誌「おきなわ釣王国」の発行を手掛ける仲栄真修さんは「県内には魚拓が作れる技術者が少なく、数カ月待ちという状態。デジタルで気軽に注文できることから、離島でも話題になっているようだ」と話す。

 デジタル魚拓を扱う業者や店舗も増えている。アパレルデザイナー、クリエイターとして活動する宮城創さん(浦添市)は、自身の釣果記録のため趣味でデジタル魚拓を始めた。SNSに投稿したところ話題になり、1月、本格的に有料でのサービス提供を始めた。

 「開始してすぐに注文が殺到して驚いている。これまでデザイナーとして積み上げてきたスキルを大好きな釣りのために役立てたい」と話す。公式サイトを立ち上げ、注文を受けている。

(普天間伊織)