コロナ警戒指標の見直し議論 沖縄県の専門家会議 病床使用率、社会経済活動への影響含め判断


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 沖縄県は26日、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(座長・国吉秀樹中部保健所長)を県庁で開き、感染状況に合わせた対策が取れるよう、病床使用率など軸とした警戒レベル判断指標の見直しを議論した。見直し案には行動制限の発出はないものの病床使用率が50%を超えて医療がひっ迫した場合、住民や事業所に外出自粛などの協力を呼び掛ける内容で、県は今週中に対策本部会議を開いて決定する。

 新たな判断指標では、病床使用率か重症者用病床使用率が30%以下で感染小康期(レベル1)、50%以下は感染拡大初期(同2)、50%超で医療負荷増大期(同3)、80%超で医療機能不全期(同4)と分類する。

 各都道府県はレベル3になると圏域ごとに「医療ひっ迫防止対策強化宣言」が可能になる。それでも感染拡大が続くと「医療非常事態宣言」を発出し、帰省や旅行の自粛や学校行事の開催方式の変更など慎重な対応を要請できる。こうした対応は、病床使用率だけでなく、社会経済活動への影響も含めた総合的な判断で行われるという。

 県内では経済活動が活発化しているが、新規感染者数は増加傾向にある。県は新型コロナとインフルエンザが同時流行した場合、1日の最多新規感染者が新型コロナが5184人、インフルが3732人になると試算している。感染対策が緩むと流行が加速することが懸念されるため、糸数公保健医療部長は「医療ひっ迫や崩壊が懸念されれば、直接的ではないにしろ経済活動を抑制するお願いもあり得る」として、感染拡大を抑える対策の徹底を呼び掛けた。

 今後の対策として委員からは、乳幼児や高齢者へのワクチン接種推進や県民の協力を得やすい情報発信方法、各地区医師会との迅速な連携体制の構築を求める意見もあった。
 (嘉陽拓也)