10月の有効求人 宮古2.18倍 人流回復で県平均1.09倍


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 沖縄労働局は29日、10月の有効求人倍率(就業地別、季節調整値)が前月比0.02ポイント上昇の1.09倍だったと発表した。1倍を超えるのは4カ月連続。都道府県別で神奈川県を0.01ポイント上回り、2019年12月以来2年10カ月ぶりに最下位を脱した。県内では全国旅行支援の開始で観光客が増加するなど人流の回復が進んでおり、雇用情勢について「求人が求職を上回り改善している」と判断を上方修正した。

 県が同日発表した完全失業率(原数値)も前年同月比0.2ポイント低下の2.5%に改善した。完全失業者数は同千人減の1万9千人だった。

 ハローワーク別に有効求人倍率(全数・原数値)をみると宮古が2.18倍に達し、八重山も1.92倍と2倍台に迫っている。いずれも業種を問わず人手不足が続く。名護は1倍台を維持し、那覇や沖縄は1倍台を下回っているものの改善傾向が続いている。

 沖縄労働局の西川昌登局長は雇用情勢について「有効求人倍率は県内の改善傾向が大きく、全国平均に近づいている」と分析。一方で「最近は電力価格の上昇を懸念する声が多くの事業者から聞こえる」として、求人に与える影響を注視する必要性を強調した。

 有効求人倍率の分子となる月間有効求人数(季調値)は前月比0.4%増の3万3016人となり、分母に当たる月間有効求職者数(同)は同1.3%減の3万268人だった。新規求人倍率(同)は同0.12ポイント上昇の1.98倍だった。

 新規求人数(原数値)は前年同月比22.2%増の1万1782人。主要産業別では、生活関連サービス業・娯楽業が前年同月比56.3%増と最も増加率が大きかった。労働者派遣が中心の「サービス業(他に分類されないもの)」が同54.3%増と続いた。 (小波津智也)