沖縄・具志川島リゾート計画、定住促進への起爆剤なるか 自治体、空港などインフラ整備推進に意欲 沖縄本島北部


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伊平屋村の野甫島から見た具志川島=7月13日

 【伊是名・伊平屋】沖縄本島北部の無人島、具志川島(伊是名村)で、世界の富裕層を呼び込むリゾート開発の計画があることが分かった。歯止めがかからない人口減少への対策に取り組んできた伊是名・伊平屋両村は、リゾート計画の実現は定住促進への弾みになると期待を高める。伊平屋村には空港建設計画があり、村はリゾート開発と一体でインフラ整備の推進にもつなげる考えだ。

 ソネバグループはタイ・バンコクを拠点に、ビーチリゾート型のラグジュアリーホテルを手掛ける。創業者のソヌ・シブダサニCEOが1995年にモルディブに「ソネバ・フシ」を開業して以降、現在ホテル4件をタイとモルディブで運営している。

 ソネバグループは新型コロナ流行前の2019年から沖縄への進出を検討し、関係者が複数回視察に訪れていたという。

 開発が検討される具志川島の面積0.47平方キロメートルは、東京ディズニーランドとほぼ同じ大きさ。ほとんどが伊是名村の村有地となっている。同村の奥間守村長は「村民・議会の声を聞く必要がある。雇用・税収に期待ができるため、前向きに検討したい」と話す。

 既に11月29、30日に両村で村職員・議員向けの説明会が開かれ、ソネバ側は人口の約20%に当たる500人の雇用計画を見込んでいることを伝えた。具志川島に100人、伊是名島と伊平屋島にそれぞれ200人のスタッフを配置し、従業員宿舎や教育・医療に関する施設を新設する意向も示されたという。

 ソネバ側も伊平屋島の新空港計画を視野に入れながら、那覇空港から富裕層を空路、海路を利用して呼び込む想定だという。名嘉律夫伊平屋村長は「これからの定住促進、人口減少を食い止めるための経済効果が期待できる。早期実現したい」と歓迎した。

 琉球新報の取材にソネバグループの広報担当者は「現時点でコメントできることはない」と回答した。
 (増田健太)