「戦争の足音が聞こえる」…辺野古土砂投入開始4年、埋め立て現場近くで市民らが抗議集会


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政府が土砂の投入を始めて4年となり、新基地建設現場近くで抗議する人々=14日、名護市辺野古

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り、政府が沿岸部に土砂投入を始めてから4年となった14日、移設に反対する人々らが埋め立て現場近くの浜辺で集会を開き、「違法工事をやめろ」「民意を守れ」などとシュプレヒコールを上げた。

 集会には地域住民ら約160人が参加した。波が高いため、海上での抗議集会は見送られたが、十数隻のカヌーが浅瀬に繰り出し、プラカードを掲げて抗議した。

 これまで投入された土砂は264万立方メートル(11月末時点)で、計画全体の13%となった。連日カヌーで海上での抗議を続ける名護市の男性(73)は、日々変わっていく辺野古沿岸を見続け「むなしさを感じる」とぽつり。名護市の60代女性は「(工事の)進捗(しんちょく)率がたとえ1%だったとしても自然が壊されている」と指摘し「生物多様な海をこんな短期間で壊していいのか今一度考えるべきだ」と訴えた。

 15歳で沖縄戦を経験した辺野古在住の島袋文子さん(93)も車いすで集会に参加した。沖縄の現状に「戦争の足音が聞こえてきている」と警戒。「1日でも早く基地も戦争もない穏やかな島を取り戻さないとだめだ」と語った。(長嶺晃太朗)