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消滅の危機にある「与那国語」の継承へ影絵芝居 俳優の東盛あいかさん出演 横浜で日台共同制作


この記事を書いた人 Avatar photo 伊佐 尚記
影絵芝居「鯨生」の稽古をする東盛あいかさん(右)=11月30日、東京都内の稽古場(大城直也撮影)

 与那国町と台湾花蓮市の姉妹都市締結40周年記念事業として、影絵芝居「鯨生(げいお)」が20日と23~25日に横浜市で上演される。日本語、与那国語、台湾語の三つの言葉で上演する。作品を通して与那国と台湾の文化の紹介や交流、消滅の危機にある与那国語の継承を図る。日台のアーティストが共同で創作し、与那国出身の俳優・映画監督、東盛あいかさんも出演する。

 「鯨生」は台湾の劇作家リン・モンホワンさんの作品。日本統治時代の台湾・花蓮と与那国島が舞台だ。「鯨生」と名付けられた女の子と与那国島の海底遺跡にまつわる物語が、人形の影を投影する幻想的な「影絵芝居」で展開される。

 鯨生を演じる東盛さんは「島のアイデンティティーである与那国語を新しい形で届けられること、次世代へつなぐ可能性が広がることがうれしい。日本と台湾の絆を深める後押しにもなるはずだ」とコメントした。

 主催する演劇ユニット「亜細亜(あじあ)の骨」の山﨑理恵子代表理事は「日本と台湾は切っても切れない関係だ。作品を通して『日本と台湾の歴史をもっと知りたい』と思ってもらえたら」と話した。

 23日までクラウドファンディングのサイト「レディーフォー」で上演資金を募っている。集まった資金は与那国語の台本作成や与那国島での公開リハーサル、今後の継続的な上演などに充てる。

 与那国島での稽古と公開リハーサルは8~17日に行われた。台湾語版は20日に横浜市の若葉町ウォーフで、日本語版と台湾語版は23~25日に同市のあかいくつ劇場で上演される。公演の詳細は「亜細亜の骨」のサイトを参照。クラウドファンディングの詳細は「レディーフォー 鯨生」で検索できる。
 

(伊佐尚記)