知事「目くらましだ」 菅氏グアム訪問に苦言


この記事を書いた人 田盛 良一
菅義偉官房長官のグアム訪問を「目くらまし戦法」と答える翁長雄志知事=30日、内閣府

 【東京】翁長雄志知事は30日、菅義偉官房長官がグアムを訪問して在沖海兵隊の移転をアピールしたことに「グアム移転も10年前から言われているが進まなかった。米軍オスプレイも佐賀空港には行かない。グアム移転をいま発表すること自体、国と政府が法廷闘争を含め厳しい環境に陥っているときに、目くらまし戦法ではないか」と述べ、実効性に疑問符をつけた。内閣府での沖縄振興審議会の終了後、記者団の質問に答えた。

 さらに菅官房長官がグアム移転による基地負担軽減を強調していることには「難しい環境になると、いい話をされる」と述べた。名護市長選の際に石破茂幹事長(当時)が振興費500億円を提示した例を挙げ「(負担軽減と言っても)私はにわかには信じられない。今日までがそうだったから。一喜一憂せず注視したいが、国民に淡い期待感を抱かせ、沖縄問題がほったらかしにされる心配はある」と述べた。