政府の沖縄関係予算の額に県経済界の反応は?


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 2023年度の沖縄関係予算について、政府は22年度から微減の2679億円とすることを閣議決定した。3年連続で3千億円台を割り込んだが、県経済界関係者は「所要額が確保された」と一定の評価をした。一括交付金が3億円減少となることについては懸念の声も上がった。

 県経済団体会議の石嶺伝一郎議長は「子どもの貧困対策の増額、県内におけるスタートアップ支援に資する予算を確保してもらったことは歓迎したい」とコメント。沖縄振興特定事業推進費の増額については「市町村の対応力が問われる、実効性のある取り組みをお願いしたい」と要望した。

 県経営者協会の金城克也会長も「全体として所要額が確保されている」と評価。県に対し「国と連携し、効率的、効果的な予算の執行を図り、コロナ禍、エネルギー価格高騰などで落ち込んだ県経済の早期回復に取り組んでほしい」と求めた。

 沖縄経済同友会の渕辺美紀代表幹事は、予算確保に感謝した上で、来年4月以降に電気料金が本格的に値上げされることに「やっと経済回復の兆しが見えてきているのに、値上げは沖縄の企業、一般家庭への影響が大きい。県民所得が低く、もともと電気料金が高いという沖縄の事情を鑑みて補助をしてほしい」と望んだ。

 一括交付金は、農産物の輸送費を補助する条件不利性解消事業など農業政策にも充てられている。JA沖縄中央会の普天間朝重会長は「沖縄の農業振興や食料安定供給を図る上で各施策は必要なもので、特に一括交付金を活用した効果は大きい。予算減額で農業振興に支障を及ぼさないか」と懸念。その上で「農家の所得向上、農業生産拡大に向けて、必要な予算は国、県に強く対して求めていきたい」とした。

(玉城江梨子まとめ)