県高校駅伝 コザ(男子)、北山(女子)都大路へ


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 男子第63回、女子第33回県高校駅伝は30日、今帰仁村総合運動公園付帯公認マラソンコース(男子7区間42・195キロ、女子5区間21・0975キロ)であり、男子はコザが2時間18分45秒で2年ぶり6度目、女子は北山が1時間18分51秒で4年連続4度目の頂点に立った。両校は12月20日に京都府で行われる全国大会の出場権を獲得。また男女の上位3校は全九州大会(11月15日・宮崎県)に派遣される。

コザ 理想通りの展開
 コザのアンカー與那嶺悠歩が両手でガッツポーズしながらゴールに飛び込む。主将の神里裕司は涙を流して與那嶺に駆け寄り、濱里正巳監督は応援団一人一人と固い握手。2年ぶりの戴冠に歓喜の輪が広がった。
 1区の兼次祐希が首位で発進し、チームを勢いづけた。2区の高江洲葵は2位に順位を落としたものの、粘ってトップとの差を25秒にとどめた。
 3区は過去2年区間賞の神里だ。「どこがきつくて、どこが勝負どころか分かっている。経験では負けない」。中間付近で先頭の沖縄工を捉えて一気に抜き去ると、1分16秒差をつけてたすきリレー。4区山城広大も区間賞で続き、優勝を確実にした。
 後半区間の持ちタイムは北山のほうが上で、後半勝負になれば苦戦は必至。前半でいかに逃げ切るかが鍵だった。理想通りの展開に「総合力で勝てた」と濱里監督。流れが重要とされる駅伝の妙味を見せるレースだった。
 準優勝で全国切符を逃した昨年、京都へ足を運び全国大会を見学した。「自分たちが走れないのが悔しかった」と神里。今夏には県外強豪校の合同合宿に参加、意識の高さや練習に対する姿勢などを学び、チームづくりに生かした。
 兼次は「全国の選手に付いていけるところまで付いていく」と意気込み、神里は「最下位脱出と県高校記録更新」と目標を口にした。
 鮮やかなオレンジ色のユニホームが、師走の都大路を駆け抜ける。(大城周子)

北山V4 “女王の走り”で圧勝劇
 4連覇へのたすきリレーは、まさに盤石だった。北山は5区間中4区間で区間賞を獲得する圧勝。1区で独走態勢を築いた長山夢芽は「流れがうまくいって良かった」と満足そうな笑みを浮かべた。
 ライバル那覇西に勝つために描いた「5区までに1分の貯金をつくる」というプラン通りに展開した。最長6キロの1区長山は「相手は気にせず自分のペースで」と力みなく快走し、2キロ付近で後続を置き去りに。2~4区の下級生も区間賞で着々と差を広げ、1分38秒のリードをもらったアンカー嶋袋由惟は悠々とゴールテープを切った。
 2月の県高校新人駅伝は長山がインフルエンザ、嶋袋が疲労骨折で選手がそろわず欠場した。春から専門のトレーナーの指導を受けて体幹強化に取り組み、軸のぶれない安定した走りを追求。けがに泣かされてきた長山は「腰の入った走りができるようになった」と成果を語る。地元企業からスッポンスープの提供を受け、栄養面でも万全の態勢で駅伝シーズンに備えた。
 「全国駅伝で最下位脱出」。周囲の期待はもちろん、本人たちの思いも強い。
 3年の長山と嶋袋にとっては3度目の全国舞台。主将の嶋袋は「県はゆとりを持って通過し、全国で戦えるようにやってきた」。成果を発揮する晴れ舞台が迫る。(大城周子)

男子3区、沖縄工の大石大輔をかわしてトップに躍り出るコザの神里裕司(右)=30日、今帰仁村(屋嘉部長将撮影)
北山の1区・長山夢芽(左)からたすきを受けて走り出す照屋百花(屋嘉部長将撮影)