豆乳クリームのモンブラン、キビ生地のクッキー…うれしいがめぐるお菓子 うんてん洋菓子店(豊見城市)<うちなー味まーい>70


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
人気商品の(手前から時計回りに)紅芋モンブラン、クランブルケーキ、めぐるクッキー

 小さなガラス窓のショーケースに洋菓子が並ぶ。どれも数は少ない。中には食品サンプルもある。「食品ロスを減らしたい」。豊見城市平良の「うんてん洋菓子店」はそんな思いから、大量生産はしない。キッチンで事前に仕込んだ素材を、基本的に客の注文を受けてから最終仕上げする。小さなショーケースには大きな理念が詰まっている。

 2021年12月にオープンした。店長の池田麻衣さん(30)ら、以前同じ菓子店に勤めていたメンバーが集まった。「うれしいがめぐるお菓子」をコンセプトに第1号商品として誕生したのが「めぐるクッキー」(6枚入り、450円)だ。サトウキビの搾りかすを粉末状にして生地に練り込んだ。栄養価が高く「客も生産者もうれしい気持ちに」との思いを込めた。

 生菓子で人気は紅芋モンブラン(550円)とクランブルケーキ(630円)だ。モンブランはキビ砂糖を加えたメレンゲが土台。その上に生クリームではなく、豆乳クリームをしぼる。「油分がなくさっぱりした味わい」にするためだ。鮮やかな紫色の紅芋ペーストを巻くと出来上がり。上はフワッ、下はサクッ。おもしろい食感だ。クランブルケーキはいちごやマンゴーなど季節の果物を使う。しっとりした食感で、フルーツの甘みと酸味が口に広がる。

 持ち帰りはもちろん、2階に14席あり、店内で食べることもできる。池田店長は「体に優しい素材で作ったお菓子を準備しています。ぜひご来店ください」と呼びかけた。

 午前10時半~午後5時。日・月定休。年末は31日までで、年始は1月12日から開店。豊見城市平良76の1。電話098(996)3843。

(照屋大哲)

来店を呼びかける池田麻衣店長(前列左)とスタッフ=9日、豊見城市のうんてん洋菓子店