日ハムドラ2位の金村尚真、弱気だった試合中に気持ちを切り替えた言葉とは<プロ野球ドラフト沖縄県勢特集>


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「信じる」という言葉を胸に投球を心がける金村尚真=岩手県花巻市の富士大

 「信じる」。金村尚真はその言葉を胸にマウンドへ上がる。岡山学芸館高を経て岩手県の富士大に進み、プロへの道を切り開いた。日本ハムのドラフト2位指名も一つの通過点とし、「プロになって活躍することが目標」と向上心は尽きない。

 豊見城中のエースとして全日本少年軟式野球大会で優勝した。自信を胸に沖縄を出て、高校ではエースナンバーを背負うも思うような結果が出せなかった。プロへ行きたい気持ちは芽生えていたが、進学して腕を磨くことを決めた。

 大学1年時は「打たれたらどうしよう」と弱気だった。しかし2年の試合中、ふと「やってきたことを信じよう。あとはやるだけ」と思うと気持ちが楽になり、強気で試合に臨めた。3年時は北東北大学1部リーグで史上2人目の完全試合を達成。リーグ通算25勝、防御率0・87の成績を収めた。

 球の出どころが見えづらいフォームから、最速150キロの直球を内角に投げられる制球力が持ち味だ。寒さの厳しい岩手で冬場に外で練習できない分、室内練習などでとことん自分と向き合った。「野球人生で一番成長できた」と自負する。

 名前の由来は、琉球王国の黄金時代を築いたとされる尚真王から。プロの世界で、自分自身の新たな黄金時代をつくりにいく。

 文と写真・金良孝矢


 かねむら・しょうま  2000年8月29日生まれ、豊見城市出身。176センチ、83キロの右投げ右打ち。上田小(豊見城ジュニア)―豊見城中―岡山学芸館高―富士大。

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 7人の県出身者が指名を受けた昨年のプロ野球新人選手選択会議(ドラフト会議)。沖縄大の仲地礼亜投手が中日に1位指名され、県内大学から初の指名に注目が集まった。金村尚真投手は日本ハムから2位、平良竜哉内野手は楽天から5位指名された。育成ドラフトでは、日隈モンテル外野手を西武が2位指名、大城元外野手は巨人が7位で指名。ソフトバンクは前田純投手を10位、盛島稜大捕手を14位で指名した。迎える球春へ。それぞれが新たな舞台での第一歩を踏み出す。