役者と市民が一体、ミュージカル「太陽の門」 沖縄戦をテーマに命の尊さ発信 南城市で上演


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若手役者と南城市民が共演し、平和の尊さを発信した舞台「太陽の門」=南城市文化センターつきしろ広場

 【南城】ミュージカル「太陽の門(ティダヌジョウ)コンサート~紡ぐ未来、感謝の祈り~」(美ら島おきなわ文化祭2022南城市実行委員会など主催)がこのほど、南城市文化センターつきしろ広場で開催された。沖縄県内の若手役者と市民らが共演し、命の尊さを発信した。

 脚本は嶋津与志さん、演出は栗城宏さん、音楽監督・作曲は中村亮さんが務めた。この作品は2011年に第1回南城市民ミュージカルとして初演され、今回で3回目の上演となった。劇の舞台は市内の糸数アブチラガマや玉城城跡をモデルとしている。

 粗筋は、とあるガマを訪れた若者たちが悲しみに暮れる波江おばぁと出会う。波江は沖縄戦で行方不明になった娘の和子を捜し続けている。舞台は沖縄戦当時に移り、家族を引き裂く戦争の残酷さや平和への祈りが描かれた。

 中村さんらバンドの生演奏や市内コーラス団体の歌も舞台を彩った。

 市民公募で選ばれた和子役の岡田來真(らまな)さん(玉城小2年)は堂々と演技を披露した。「お芝居は初めてでドキドキしたけど、またチャレンジしたい」と話した。「今の時代は家族が離ればなれにならずに暮らせていいな」と平和の大切さを実感していた。

(伊佐尚記)