物価高、ひとり親直撃 「米買えず」半数経験 市民団体調査「しわ寄せ子に」


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 約半数が米を買えない経験をし、4割近くが公共料金などを滞納したことがある―。物価高がひとり親家庭に与える影響について、しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄(秋吉晴子代表)が調査したところ、そんな結果が明らかとなった。新型コロナウイルスに続く値上げラッシュが、シングルマザーの家計を直撃している。「首を徐々に絞められていっているような不安がある」「どう頑張っても(お金が)足りない」など切実な声が相次いだ。

 11月26~28日に会員向けウェブフォームで調査し、県内在住のシングルマザーらひとり親288人から回答があった。

 ▼「子どもに我慢ばかりさせている」寄せられた切実な声

 6割が新型コロナより物価高騰の影響が大きいと回答。1年前と比べ、約8割の世帯で支出が増えた一方、収入が減った世帯が44・4%に上った。仕事での収入(10月)は、約7割が額面で15万円未満だった。
 

 8~10月の間に、経済的な理由で米が買えなかった経験を尋ねると、38・9%が「ときどきあった」、9・0%が「よくあった」と回答。野菜については7割近くが買えない経験をしていた。

 4月以降、18・1%が家賃、20・1%が電気料金の滞納を経験。38・9%が公共料金などを滞納したことがあった。支出を抑えるため、子どもに小さくなった靴で我慢させている(18・1%)、自分(親)の食事の量や回数を減らした(69%)との回答もあった。

 自由記述欄には「穴の空いた靴や上履きでからかわれて嫌な思いをさせてしまった」「(食材の値上がりで)栄養が偏っている」「不安感、惨めさ、不眠」「学校に関わることは無償にしてほしい」「言う事聞けない子はいらない! と強く当たってしまったりして、子供は悪くないのに自分で情けない」などの声がつづられていた。

 秋吉代表は「コロナに続く物価高騰の直撃で、シングルマザーの家庭が極限まで追い詰められている。しわ寄せがいくのは子どもたちだ。小手先の対応ではなく、児童扶養手当の増額や最低賃金の引き上げが必要」と指摘し、行政に抜本的な対策を求めている。 (眞﨑裕史)