沖縄の風と太陽が育んだスイーツ「黒糖」 ラム酒や美容ケア用品にも


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定番土産 高付加価値商品も

 黒糖は和菓子の原料などお菓子類に使用されることが多いほか、サトウキビの搾り汁を煮詰めて固めた粒は昔からお茶請けとしておなじみで、観光客の沖縄土産としても定番。近年は黒糖を使用した県産ラム酒の製造や、黒糖に含まれるビタミンB群やミネラルを髪の保湿効果に生かしたヘアクリームなど、食品だけでなく付加価値を高めた商品開発が展開されている。

 県内の黒糖生産量は、沖縄が日本復帰した1972年から大きな変化はない。年度によって生産量に違いはあるが、県黒砂糖協同組合の西村真専務理事によると干ばつや台風など気象要因によるものだという。近年は人手不足もあるものの、生産効率の高い株出し栽培ができるようになった地域も増え、生産面積は安定しているという。

 2013年のデータでは、国内の黒糖の消費方法について、粒が20%、加工黒糖が20%、お菓子類が42%、パンが8%、酒造が7%、調味料が2%となっている。

 西村専務理事は「黒糖は白糖よりも健康に良いという視点から、人気が高まっている」と語り、世界的な健康志向を追い風にして沖縄黒糖の国内外での消費拡大に期待を寄せている。

(與那覇智早)